服薬アドヒアランス向上の取り組み
今日の医療におけるアドヒアランスの重要性

なぜアドヒアランスが重要なのか

「患者中心の医療」におけるアドヒアランスの重要性

近年、日本の高齢化が進む中で医療の効率化が社会的命題となっています。限られたリソースの中で優れた治療効果を上げるには、医療従事者と患者が相互に信頼し、同じ方向で治療に取り組めるか重要といわれています。 最終的な治療方針は患者自身が決定する「患者中心の医療」が医療の方向性とされる中で、患者さんの治療への積極参加=アドヒアランスは極めて重要な要素となりつつあります。

医薬品の適正使用と服用アドヒアランス

今日の薬物治療においては、いかに適正使用を実現するかが、副作用のリスクを軽減し、治療効果を高めていく上で重要です。つまり、患者さん自身が適正使用へ参加することが、薬物治療におけるアドヒアランス(服薬アドヒアランス)の向上といえます。

服薬実態と服薬アドヒアランスの課題

一方で、現実には処方された医薬品が適正に使用されていない実態があります。服薬の手間、飲み忘れをきっか けとした意識低下、効果の実感なし、短期的な自覚症状の改善などを理由とする自己判断での服用中止が、代表的な事例といえます。残薬、オーバードーズなども服薬アドヒアランス低下がもたらす問題です。
例えば、治療において飲み続けることが必要な認知症薬(アリセプト)の1年後の継続率(図1)は症状の軽い人でも55%以下という研究結果があります。同様に服薬継続が必要な他の生活習慣病薬を多くの方が服薬を中止しているという実態が判りました。
自己判断での服用中止は、重大なイベントリスクの増大、症状の悪化、それまでの治療効果の減少・消失など大きな損失に結びつくものです。
今、服薬アドヒアランスの低下は、患者さん本人・ご家族・医療従事者、治療に関わる全員にとって大きな課題になっています。

服薬の実態
保険薬局における服薬アドヒアランス向上の取り組み

患者さんの行動変容を促す情報提供

保険薬局の可能性

服薬についての情報提供・指導は、基本的に病院・診療所の診察時と薬局の服薬指導時の2つの短い時間で行われ、患者はその情報・指導を基に判断して服薬を行います。
したがって、薬局での情報提供は、患者の服薬行動においてとても重要な役割を果たすと考えられます。

一方で、一般に専門領域を持たずあらゆる領域の医薬品の指導を求められる薬剤師は、個々の医薬品の指導が手薄になりがちな現状があります。患者の服薬アドヒアランスへの寄与という面で、保険薬局における服薬指導は大きな可能性を秘めています。

服薬アドヒアランス向上に向けた取り組み

服薬アドヒアランス向上という目的を達するためには、まず患者の行動を変える指導が必要になります。つまり、患者が服薬指導を理解し、そのように行動することが第一歩といえるでしょう。この事実は、多くの業務を抱える薬局にとって一見クリアが難しい課題のように思えます。
しかし、口頭・媒体(紙・電子媒体など)を活用し、患者視点での情報提供を行うことで、患者の行動を大きく変えていくことができます。
例えば、当社では糖尿病薬のハイリスク薬の服薬指導において、多くの患者の行動変容を促し、本来あるべきと考えられる副作用発生時(非来局時)の副作用報告をとらえることに成功しました。(下記事例)

行動変容の取組事例

~糖尿病ハイリスク薬における患者の副作用報告~

2011年 第21回日本医療薬学会年会 クルーズ薬局西風新都店 湯浅伸輔

取組背景・目的

本来副作用への対応は発生時に行うべきですが、保険薬局における副作用の感知と対応は次回来局時となることが実際であり、重篤な副作用の対応としては十分とはいえませんでした。患者自身による報告や相談があって初めて、副作用に対する指導が可能になるため、薬局の情報提供を工夫し、副作用について患者からの自主報告を促しました。

方法

処方量の多い糖尿病のハイリスク薬を対象。
副作用の初期症状の患者理解が重要となるため、副作用情報のうち重篤な副作用の初期症状を整理し、それらを患者に分かり易い言葉(体調変化カテゴリー:図1)に置き換えました。
薬品ごとに上記の初期症状を整理したシール(手帳シール:図2)を作成し、服薬指導時にお薬手帳に貼付。シールには発生時には医療機関へ報告する旨を記載しました。
この方法により、患者から副作用の初期症状の報告が得られるかどうかを検証しました。

結果・考察

図3にあるように、シール貼付を行わなかった群(N=1,238)は電話や非定期来局での副作用報告は全くありません(0件)でしたが、シール貼付を行った群(N=353)は5件も報告がありました。中には重篤副作用を早期に発見できた事例もあり、シール貼付(患者にとって理解しやすい内容を、いつでも確認可能な形で情報提供)が有効であったことが証明されました。定期来局時もシール貼付を行った群の方が多い結果となりました。

患者の行動変容を促す指導プロトコルの構築

このように患者視点での情報提供を工夫することで、患者さんの納得が得られ、治療への参加・行動変容が促されます。専門性が高い情報を、患者さんのシチュエーションに応じて、いかにわかりやすく納得感のある形で伝えられるかがキーになります。当社では、この患者のシチュエーションに応じた指導方法を、指導プロトコルと呼んでいます。
今回、このような取組をふまえ、指導経験の少ない薬剤師でもポイントを押さえた質の高い服薬指導が可能な仕組みを電子薬歴上に構築しました。

電子薬歴を活用した服薬アドヒアランス向上プログラム

全国の保険薬局で服薬指導をサポート

服薬指導前にオンデマンドで指導のヒントと指導せんを提供

服薬アドヒアランス向上プログラムは、患者さんの自己判断で服薬中止する原因に注目し、その原因に対応する指導内容と指導せんを提案する医薬品毎の服薬指導支援プログラムです。
本プログラムは患者さんへの服薬指導の前に利用できるよう電子薬歴上に実装されています。
該当薬剤が処方されたときに、処方開始時、継続時などの患者さんのシチュエーションに合わせた指導のヒントと患者用指導せんがポップアップ表示されます。薬剤師は患者用指導せんを印刷して指導に役立てることができます。実施した指導のチェックも可能で、そこから薬歴への転記(記録)も可能です。

システムでの情報提供により適切な資材&服薬指導の実現

全国の保険薬局の電子薬歴に配信

医薬品ごとの服薬アドヒアランス向上プログラムは、指導せんデータなど含め、製薬メーカー全面協力のもと開発しています。現在、3社の電子薬歴メーカー(※1)と提携し、全国約8,000薬局(2016年2月現在)の電子薬歴上に配信され、数万人の薬剤師が利用できる環境が整っています。さらにプログラムの利用が広がるよう普及活動も行っています。
※1 三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社、ハイブリッジ株式会社、他1社

医薬品のアドヒアランス向上を目的とした服役指導支援コンテンツを配信

プログラムによるアドヒアランスの向上

実際、アドヒアランス向上プログラムを利用した2013年~2015年にかけてのパイロットプロジェクトでは、様々な医薬品で服薬中止の防止効果が確認されています。ご興味ございましたら、下記よりお問い合わせください。

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提供会社について

株式会社サンクスネットご紹介

企業とのタイアップで保険薬局に関するサービスを企画・運営 主要テーマ		製薬企業様向け提供サービス

会社概要

代表取締役桐林 邦之
設立平成9年5月6日
資本金3,000万円
年商19.1億円(平成26年6月期)
住所広島本社  〒736-0046 広島県安芸郡海田町窪町2番14号
東京事務所 〒103-0027 東京都中央区日本橋2丁目2番5号

本プログラムに関するお問い合わせ先

アドヒアランス向上プログラム

株式会社サンクスネット
マーケティング事業部(東京事務所)電話:03-3274-2539

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